
上質なウール地とはこういうこと。
多分、ここまでの、着ていて良いウール地だと実感できるものをお持ちの人はそう多くないと思う。
ただしここでは、着ていて良いと実感できるということは、自分自身が着て感じることに限る。
それは、肌当たりの良さ、衣服内を快適に保つということ、そしてただ上質なだけではなく、デイリーユースできる点も重要な点。
ただ単純に肌触りとか、上質さだけを高めようとしたら、そのようなものをつくることはできる。
でも、それはドレスシーン用の服となってしまう。
何故ならば、耐久性が圧倒的に低くなってしまうから。
だから、生地の上質さを高めつつ、日常的に着用できる耐久性を兼ね備え、その両者をどこまで高い位置で合致できるかが大切。
その意味合いではこの生地は、他のブランドと圧倒的な差があると思います。
袖を通した瞬間にすぐに感じる肌当たりの良さ。
長時間続けての着用で感じる快適さ。
そして、ウール100%でありながら、家庭での洗濯が可能な耐久性の高さ。
寒かったり、急に暑くなったりする今の時期から、もっともっと暑くなるこの先に重宝するでしょう。
この生地でつくられたシャツとパンツ。
あって良かった、こればかり着てしまう、そんな洋服だと思います。
WISLOM
ROBE STRIPE FABRIC毎シーズンオリジナルファブリックを製作し、そのクオリティにいつも驚かされるのがWISLOM。
ブランドの立ち位置的にもかなりマニアックなブランドと認識してくれている人もいると思いますが、やってることがすごく凝ってる。
今日紹介する、ローブ ストライプという生地はとてもWISLOMらしいものです。
そもそもさっきから言ってた肌触りの良さだとか着ていて感じる快適さとか、それはそもそも原料と糸の構成によるもの。
使っているのは、ニュージーランドのMAF(マフ)ウールというウール。
それのSUPER 140'sですね。
スーパー140。
それは原料のウールの繊維の細さを表すもの。
繊維の細さであって、糸の細さを表す数値ではない。
だから、番手とは違います。
まあ、つまりは非常に細いウールを使っているということ。
日常使いできるギリギリのラインではないでしょうかね。
ギリギリのラインだから、繊維自体が非常に繊細。
それを使って、強く、そして滑らかに仕上げているのがこの生地を構成する糸。
糸は三子撚り(みこより)。
マフウールのスーパー140を三子撚りした糸で織り上げた生地。
かなりの服好きの方であれば、もう手にしてみたいと思わせるようなこの用語の羅列。
簡単に言うと、形も良いから、圧倒的な着心地の良さ、そして、ペラペラな安っぽさは皆無、更に上質ウールでありながら洗濯までできてしまうから、これからの時期にはサイコーなわけ。
というのが、中身の話なんですが、
見た目も良いですよ。
この生地。
ローブ ストライプという名前なんで、ストライプの生地ですね。
でも、またこれもストライプの作り方が変態的なんですよ。
もちろんプリントなんかであるはずがないし、ただ単純に色違いの糸を配置したものでもない。
撚り杢(よりもく)ってやつですね。
ベースはネイビーで、赤と白のストライプが交互に現れる生地なんですが、
赤は、ネイビーのウールの糸と赤のウールの糸を一緒に撚って、赤の撚り杢糸。
白は、ネイビーのウールと白のシルクの糸を一緒に撚って、白の撚り杢糸。
まあ、表記的にはウール100%となっているんですが、白のストライプのシルクは、全体で表すと0.3%程度になるそうなので、1%以下は表記しないんです。
撚り杢でつくりあげ、しかも原料もピカイチだから、非常に深みと上品さのあるストライプ生地になってます。
HENRI
size/04.05こちらがシャツ。
胸には少し大きめのポケットが配置されてます。
フラップ付きのポケットですね。
ポケットの中は仕切りがあり、便利な仕様。
生地が生地な分、そのままプレーンなデザインのものをつくるとドレッシーになり過ぎちゃうんですよね。
だから、WISLOMはその生地に少しワークシャツのようなエッセンスを加えています。


ウールならではの落ち感がしっかりとあり、それでいて風通しの良いシャツ。

少し肌寒いときには、そのまま着て、暑くなれば腕をロールしての着用も。
一日の中で気温の変動の大きい今もこのシャツは活用できるのではないでしょうか。
LUCIE 1.5 WIDE TROUSER
size/04こちらがパンツ。
こういった生地を使用するとどうしても単なる上質なスラックスになることが多い。


シンチバックや、裾に取り付けられたボタン。
こういったワークディテールやシルエットを変化させることのできる機能的仕様。
これがWISLOMバランス。
どうしてもドレッシーな見た目になってしまうような上質生地を用いて、そこに掛け合わされるのはワークやミリタリーなどのエッセンス。
その掛け合わせによって生まれるオリジナルな洋服。


ワイドシルエットながら、ただのズドンではなく、ダーツの多用により立体的なワイドシルエットへ格上げ。

写真ではCOMOLIのハーフスリーブのコモリシャツとbenchのサンダルとの組み合わせですが、半袖やサンダルなどの力の抜けたものとの相性はすごく良いですね。
ラフなスタイリングではあるんですけど、それでも素材の良いものを選ぶと見え方は全然変わってきますので。



腰から裾にかけて流れるようなシルエット。
パンツに関しては通年同じものを穿く方もいると思います。
ウールは、天然のエアコンとよく言われる素材。
暑い時には涼しく、寒い時は保温をしてくれる高機能素材。
このパンツに関しても、今の時期はもちろんですが、夏場にこそ素材の良さを感じて頂きたいものです。

裾には3つのボタンでシルエットが変えられるのですが、これが印象が結構変わるんですよ。
ワイドシルエットを強調するならば絞らず、テーパードを効かせてドレープを演出するのであれば、一番内側に留めて。
これも是非日ごとに変えてみてください。
このパンツはまだ紹介していなかったのですが、これからの夏場に向けての僕のとっておきパンツの一つです。
手にとって見てみてください。
それでは。
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