鳥取(米子市)のアンからパンツが届いた。
un/unbientと言えばというパンツ。
PULL PANT
今回は3種類。
でも、どれも同じカタチ。
生地が違う。
ただ、それぞれがすごく良いから期待してください。
3PLY SUPER DRY WOOL PULL PANT
color _ T.A.T check
size _ 1.2これがプルパンツ。
ベルトループもウエストベルトもない、至極シンプルな腰回りの仕様となったパンツ。
サイズの調節は両サイドに付属するアジャストテープ。
初めて見たときから独特な感情になったこのパンツ。
さっきも言ったけど、ベルトループもないし、ウエストの帯もない。
それだけですごく削って削って、シンプルな佇まいになっているはずなのに、何か別の感じるものがあった。
引き算で生まれるデザインとかじゃなくて、なんか引かれてるのに、プラスされたような独特なクセのある雰囲気。
それはサイドのアジャスターが付け加えられたからじゃなくて、なんかもっと奥のほうにあるものが訴えかけてくるものを感じるのがこのパンツ。
初めて見たのは、4年くらいか5年くらいかな、それくらい前になるけどそのときから受ける印象は変わらない。
まあ、何でかは知らんけど。
アンならではということかな。

これがサイドアジャスター。
他のブランドのパンツとは異なり、手前に引く仕様ですな。
生地のカラーリングによってこのテープの色使いも変えてる。
確かデザイナーが染めてるって言ってたような気がしますね。


まあ、もうこれ見たらわかると思うけど、内側も文句のない仕様。
無駄はないけど、内側の仕様にも個性がある。
それでいて綺麗な仕上げ。
あと、このチェックのプルパンツは特別な仕様なんですよね。
ブランドタグに赤字で明記される''tat''の文字。
これは今シーズンの2019AWから不定期でスタートした新たなシリーズです。
まあ、そのときどきの洋服との出会いを楽しんでくれって言ってるシリーズかな。
だから、この生地は特別仕様。
日本のウールの一大産地、愛知県の一宮ではなく、
津島市で織り上げられた超名作生地。
この機屋さんはすごく良い生地を織り上げる。
そこで製作したun/unbientのオリジナルファブリック。

前にNEATのウールのパンツで話をしたんですけど、生地を構成する糸には何本の糸で一本の糸をつくり出すのかっていうのがあって、それで生地になったとき、完成した時に大きく左右される。
単糸とか双糸とかあるんだけど、
これは三子撚り。
三本の糸ですね。
これもなかなかない。
デザイナーが目指したのはウールですごく乾いた質感を出すこと。
それ。
見事に実現。
触ってみたらわかるんですけど、乾いてるこの生地。
アサヒスーパードライのレベル。
それでいて、この柄出し。
ベースの部分は全てウール。
でも、チェック柄を出してる部分はコットン。
そのコットンの糸も粒というか点のように見え、一般的なチェック柄とは違いどことなく曖昧な端々。
そしてそして、三子撚りの糸で構築してるから綾目(斜めに生地の組織が見えること)がすごく立ってる。
すごく複雑な生地。
厚地の綿織物のような質感も目指したこの生地。
他にはない独特な表情。
どことなく古着っぽさも感じるし、色が色だから人によってはヒッピーライクな見た目にもなる。
かと思えば、組み合わせるものによっては上品なパンツにも見えるし、すんごい懐の深さをしてますね。
アメージング。
以前にこの生地を見ながらデザイナーと話してたというかお茶してたんですが、これが穿いて洗濯していくとどんな姿に変貌していくんでしょうねってすごく楽しみな生地。
なかなか他の生地では感じられないような雰囲気の変化をするんじゃないかと思う。

ディテールも紹介しときますね。
フロントは水牛釦を手付けしたトップボタンにファスナー開閉のフロントです。

アジャストテープの根元にはしっかりカンドメが入って補強してありますので、引っ張っても大丈夫。







クッションのない、少しクロップドに近いような丈。
スッキリしたアウトラインを描くパンツ。
当店でも取り扱うPETROSOLAUMのブーツともかなりの好相性。
ウールコットン高密度サージ PULL PANT
color _ medium gray
size _ 1.2こちらは同じカタチの生地違い。
ミディアムグレー
ウールコットン高密度サージ PULL PANT
color _ dark brown
size _ 1.2ダークブラウン。
この二つもかなりのクオリティの生地してますよ。
先ほどのT.A.Tチェックと同じ三子撚りのウール。
正確に言えば、三子撚りのウールが経糸。
緯糸がコットン。
それでね、これは、サージという生地なんですよ。
サージというのは、デニムと同じ綾織りに属する生地。
だから、生地の組織が斜めに見えるんですよ。
斜めに柄が出るっていうわけではないです。
無地なんだけど、斜めに生地の方向が見える。
まあ、さっきのチェック柄も同じ組織で、ギャバジンって言うんですがね、
この2種類のパンツは
経糸にウール
緯糸にコットン
が配置される生地。
想像してください。
ジーパン。
デニム。
あれって表と裏で生地の色が全然違って見えるじゃないですか。
あれは、綾織りという生地の特性。
ジーパン履いてロールアップしたときに、折り返した裾だけ白っぽく見えるでしょ。
あれは、縦糸にインディゴの色の糸。
緯糸に晒し糸(生成りor白)を配置するから。
大体、生地の表から見て、6対4か7対3の割合で両方の色が見えると言われる。
綾織りの大きな特徴なんですよね。
表から見ると経糸がたくさん見えて、裏から見ると緯糸がたくさん見える。
不思議や、不思議。
それで、何が言いたいのかというと、
このパンツの生地は、経糸がウールでmedium grayにはグレー、dark brownにはブラウンの色が配置されてるんですよ。
でもね、緯糸はどちらも同じ。
コットンの黒い糸。


分かりますかね。
大体6対4か7対3の割合で見えるから、表に比べて裏側が黒っぽく見えるの。
それが何が起こるのかというと、
色合いが深く見えるんですよね。
深みのある色に見える。
それだから、すごく上品に見えるし、奥行きがあるからサラッと穿いていても充分なの。
あと、ウールのパンツはチクチクするから苦手って人もいるかもしれない。
でも、これは裏面にコットンが多く露出してるからチクチク感が抑えられてるんですよ。
そういう効果もある。




綾目が立ってすごく上品な見た目。
あと、三子撚りのウールとコットンを高密度に織り上げてるから、どちらの良さも際立ってますね。
ウールの自然の光沢と落ち感の良さ。
そして、コットンの滑らかさとしなやかさ。
秋冬のアウターとの相性もピカイチなんじゃないかな。







こちらもさっきのチェックと負けず劣らず、スタイリングを演出してくれることでしょう。
あと、これは穿いてみたらわかるんですが、結構肉厚なんですよ。
だから、秋冬には良いですね。
安心して下半身を任せられる。
物足りなさは皆無だし、寒さも凌いでくれると思うからつい手に取って穿くパンツになると思いますよ。
アンのプルパンツ、穿いてみて。
それでは。
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