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つくり手の思いが宿るデニムブランド~DAWSON DENIM ※長文注意※





こんばんは。


本日は、数日前から新しく取り扱いを始めたブランドについて。

デニムブランドです。

デニム生地でできたものを見に付けたことのない人は、この世の中に最早いないのではないでしょうか。

デニムは、様々なアイテムをつくることができるもの。
シャツ、パンツ、カバン、帽子、靴に至るまで・・・

しかし、やっぱり代表的なものはジーンズ。ジーパンですね。

カサノヴァでは、暫くの間デニムブランドの取り扱いがなかったと思います。

最近では、トレンドからかファッショニスタからも少し注目を浴びたりしている時もありましたが、多様なファッションウェアが存在する中で、世代を問わず、性別を問わず、最も時代の流れを受けにくい普遍的なものですよね。


そんなデニムアイテムですが、世界中でも最高のデニムアイテムをつくるのは、岡山県の児島と言われています。

国内、海外ブランドを問わず、デニム製品でMADE IN JAPANと表記されていたら、ほぼ児島、もしくは岡山県内でつくられたものと思っても良いくらい。
それくらいシェアがあります。


そして、岡山県に位置するカサノヴァ。
デニムブランドを始めます。

MADE IN BRITAIN.




イギリス製のジーパンです。









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DAWSON DENIM

Kelly DawsonとScott Ogdenの二人のアーティストによってつくられるハンドメイドのジーパン。
イギリスの海辺の街ブライトンという場所でつくられます。


余談ですが、ブライトンという街は、、、

たくさんのカルチャーを生み出すイギリス。
スーツを着て上にモッズコートを羽織り、スクーターに乗る「モッズ」
バッキバキのレザーのダブルライダースジャケットを着て、バイクに跨る「ロッカーズ」

その「モッズ」と「ロッカーズ」の大乱闘事件があった街としても有名です。
そういった若い大きな力同士がぶつかった場所からつくられます。



そんな場所から二人だけでつくられるジーパン。
二人だけでつくられることもあり、一本のジーパンから二人の手のクセが見てとれます。

現代では、ジーンズといえば、もともとは作業用のパンツで大量生産というイメージがあると思います。
実際に、一般的には世界最高と言われる児島では、ある程度設備が整っていれば、一つの工場でも2万円~5万円、もしくはそれ以上の価格のジーンズが週に100本、200本は量産されています。
しかし、もともとジーンズとはゆっくりゆっくりつくられていたもの。
それに、MADE IN JAPANと言っていますが、縫っている場所は児島でも、日本人が縫っていないことは当然のようにあります。

それをこのBLOGで批判するのではなく、現代ではそういった工場のラインでのものづくりはなくてはならないものです。

しかし、カサノヴァで改めてデニムブランドを取り扱うとなったときに、誰がつくったのかわからない匿名的な一着よりは、しっかりとつくり手の顔が見え、つくり手の思いや情熱が伝わるものを皆様にお届けしたいと思いました。


それは、一つは気に入った服を着たときの「高揚感」


そして、もう一つは、その気に入った服を「長く着ることができる」ということ。


この二つは、洋服で着飾る上で、とても重要なことだと思うからです。


何を基準にその服を気に入るのかは、人それぞれ様々ですよね。

デザインなのか、シルエットなのか、スタイリングにハマるのか、つくる上での過程なのか、自分に尋常じゃないくらい似合うのか・・・


今回は、つくる上での過程、ものづくりにフォーカスしようかなと。

DAWSON DENIMは実際に手にとったときに、つくり手の思いや情熱が独特なムードとなって感じられます。


服に限らず、何でも、本気でつくったものは、ものを見たときに宿ってますからね。



たくさんのお店でたくさんの洋服が揃っているときだからこそ、二人だけで丁寧につくられた「ハンドメイドのジーパン」を。



「原点回帰」ですね。


そして、「原点回帰」というだけあって、リジッドの生デニムです。


最近流行中のユーズドデニムを再構築したリメイク物や、つぎはぎだらけでダッボダボなどのデザイン系ではありません。

DAWSON DENIMにおいて、ハンドメイドのつくりの良さは、その堅牢さという側面も持ち合わせています。

極端なデザインではない為に一過性のファッションではないこと。
そして、堅牢なこと。

これは穿く人にとってのスタンダードな一着として、「長く着ることができる」ということではないでしょうか。


DAWSON DENIMは1940年までの手仕事と機械仕事がミックスされたワークウェアが好きとのことで、そのバランスを保ったアイテムをつくっています。


手仕事の細かさと堅牢さ、機械仕事の精緻さ。

そのバランスは独特なムードを醸し出しています。




今回入荷したのは2型。

REGULAR FIT JEANSという所謂ストレートシルエットのモデル

WIDE LEG JEANSというワイドシルエットのモデル

どちらもクラシックなジーンズの形となります。








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DD01 DAWSON REGULAR FIT JEANS
size/28.30.32.34


こちらがレギュラーフィットのモデルとなります。


パッと見たときに目立ったデザインや極端なシルエットなどはありません。
本来の基本だけど、究極のジーパン



というのも、僕は常々、丁寧につくられた洋服は「内側」を見たら分かると言っていますが、DAWSON DENIMの内側は、本当に綺麗。

ジーパンでここまで綺麗につくり上げているものはないくらいですね。




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この内側を見ただけで特徴的なことがいくつか。

まず、ポケットの袋布に使われている生地は1945年製のイギリスデッドストックツイルですが、そこに手でスタンプが押され、手書きのサイン、そして一つ一つシリアルナンバーが書かれています。

また、気付いた方もいるかもしれませんが、DAWSON DENIMの特徴として、デニムの縫製で多用されるはずのオーバーロックが施されていません。

厳密に言えば、見えない仕様になっているのですが、両脇は、リーバイスやその他ブランドだとオーバーロックを施すもの。
しかし、そこをポケットの袋布を巻きつけて処理することにより、より高い縫製技術と見た目の美しさを兼ね備えた仕様。
また、前立てもセルヴィッチ生地の耳を使い、綺麗に処理をしていますね。


バックは隠しカンドメ、隠しリベットの501XX仕様ですが、本当に一切の無駄のない内側に。


ただ、DAWSON DENIMの魅力は二人だけでつくり上げているということ。
それは、決して縫製が抜群に綺麗というわけではありません。

少し歪んだステッチや微妙に位置が不揃いなリベットなど。

同じような微細な歪みが一着の中で見られます。
それは、ただ一着のジーパン、それぞれを非常に個性的にしています。


綺麗な縫製を求めるならユニクロのジーパンを手にとって頂ければ良いんです。
ユニクロのジーパンは真っ直ぐ、綺麗で均整のとれたステッチです。
でも、それは当然ですよね。

何日も何日も同じ人が、同じ箇所を気の遠くなるくらい、繰り返し繰り返し縫ってるんですから。


重要なのは、いかに丁寧に縫ってるか。

デニムブランドとして、自分たちの顔を全面に出し、自分たちがデザインし、自分たちが縫い上げる。

それも、着てくれる人のことを思って。

これだけ服が溢れている時代です。

そういった、ものづくりの過程で服を選んでみるのも良いかもしれませんね。



















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これは、ボタンフライ部分

ボタンは全てDAWSON刻印入りのオリジナル。

オリジナルの付属を使っているのは良い感じですが、注目してもらいたい部分は、そのボタンの向き


マニアックな方は分かると思いますが、トップボタン、比翼ボタン、全て方向性有り。


一番上のトップボタンは、ときどき見かけますが、きちんとDAWSONと入った刻印が右下に見えるようにしています。
ただ、着用すると見えない比翼ボタンまで、全て同じ位置で揃えているのは、たくさんの服を縫う量産工場では、まず不可能です。













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縫製に使われる糸の色は主に、ストーンカラーと言われる、ベージュがかったような、グレーのようなカラーリングですが、唯一、裾の裏側のみ、赤いチェーンステッチが使われています。

イギリスでつくりあげられるジーンズですからね。
パンクマインドを感じる部分ですね。
















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WIDE LEG JEANS
size/28.30.32.34


こちらはワイドシルエットとなります。

20世紀初頭の未だジーンズという言葉が生まれていなかった頃のものをモデルとしています。








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ヴィンテージデニムに詳しい方なら一目瞭然と思います。
緩やかにカーブを描いたバックポケット、シンチバック、そしてむき出しリベット。

古いデニム感がだだ漏れ。










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こちらはポケット袋布は無染色の日本製のヘリンボーン生地。

股上はかなり深めの古いワークウェアの形となります。








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WIDEのモデルも内側が非常に美しい仕上がりです。






ちなみに肝心のデニム地は、日本製。

これは実際に二人がはるばる日本まで出向き、自分たちの理想とするデニム生地を選んでいます。

そしてここまでこのBLOGを見て頂いた方は、既にお分かり頂けるかもしれませんが、DAWSON DENIMはヴィンテージレプリカではありません。
実在したヴィンテージをただ真似てつくっているものではありません。
それは、糸の色から縫製仕様、付属、そして生地からも読みとることができる。


また、二人で生地の調達、パターン、裁断、縫製、特殊工程(ボタン付け・ボタンホール開け・リベット付け)、仕上げ、梱包、出荷までを行っています。

自分たちのものづくりに責任を持ち、自分たちの信念に自信を持っているからこそ、それは可能なことだと思います。



以前にED ROBERT JUDSONのBLOGで、何故、それをセレクトしているのかということについて少し触れましたが、カサノヴァはセレクトショップです。

世界中にたくさん存在するブランドの中から、選び、店頭に並べています。



冒頭にもあったようにカサノヴァでは、暫くデニムブランドの取り扱いがありませんでした。

そして、誰もが穿くジーンズ。

それを改めてセレクトし、店頭に並べるとなった際に、一番重要なのは、「きちんと丁寧につくっていること」だと思いました。

ジーパンは誰もが穿くもの。
誰もが穿いてきたもの。

今はいろんな楽なパンツがたくさんあると思いますが、ここでまた一度、ファッションの原点に立ち返ってみるのはいかがでしょう。


つくり手の思いと情熱が宿った一着は、手にした時、いつものスタイリングに取り入れたとき、きっと高揚感と独特なムードに包まれます。

しかし、たかがジーパン。
と、よく言います。

気兼ねなく好きに穿いてください。
分からないことがあれば、アドバイスは何でもさせて頂きます。

そして、長く穿いてやってください。




ゴールデンウィークが終わり、初夏の陽気になってきました。

薄着になる季節だからこそ、気持ちが上がる一着を見つけにいらしてください。




それでは、明日もお待ちしております。










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